2013年10月21日月曜日

その2 新入り猫と先住猫の関係について

4歳になる雄猫がいますが、生後8ヶ月の雄猫を引き受けることになりました。どんなことに気をつけたら、いいでしょう?(28歳・女性)

先住猫と新入猫の関係、こんな目安で考えてみてはいかがでしょう?


3日、3週間、3ヶ月


まず、3日間、2匹の様子を見ます。
すぐに仲良くなれば万歳、ラッキー。
そうならなくても当たり前と受け止めます。

次の期限は3週間。
この頃になると、それなりに落ち着いていると思います。
シャーシャー、フーフー、言っても流血のケンカにならなければ、よしとしましょう。

そして、3ヶ月後。
さぁ、2匹の関係はどうなっているでしょう?

3日、3週間、3ヶ月、待ってみる。

さらに3年、待ったっていいんですから。

「ええーっ、全然、仲良くならないよ」
というあなた、猫たちにどうなってもらいたいのでしょう?

往々にして、ヒトは
「早く仲良くなって欲しい」
という欲が多すぎるように感じます。

そう思う時、それはヒトのペースになっています。


もし、あなたが先住猫なら、どうでしょう?
もしくは新入り猫だったら?

猫もヒトと同じです。
人懐っこいタイプもいれば、恥ずかしがり屋もいる。
ひとりが好き、大勢でワイワイするのが好き。
 
ひとりひとり違って当たり前で、いろんな個性があるから面白い。
ヒトの場合は、こんなふうに考えられるのに、なぜ猫に対しては、
「こうあってほしい」
という要求が強くなるのでしょう?
不思議ですね。

あなたがだれかさんをコントロールできないように、猫をコントロールすることはできません。


でも、理解しようとすることはできる。

猫の身になって、想像してみることはできる。

猫と暮らすことは、猫の視点を手に入れることだと、私は思います。

それが2匹になれば、2猫の視点を持つということ。
せっかく猫と暮らすなら、この特典を活かしましょう。


ヒトとしての見方をいったん捨てて、猫になってみる。

ヒトは不自由な生き物で、なかなか自分の視点を外そうとしませんけど、ね。




現在、猫の森「桜舎」の猫は5匹。
最年少猫は5歳、最年長猫は15歳(しかも2匹)。
彼らは、やって来た時期も違う。
それぞれがまったく違う環境からやってきて、今、ここでフツーに暮らしています。


猫は順応能力が高いのです。
私は特になにもしません。
そう、強いて言えば、彼らをよく見て、感じていること、くらい。

ですから、心配せず、彼らに任せてみましょう。
余計な欲や期待を持たず、ありのままを受け入れること。

こちらの肚が決まっていれば、彼らは安心します。
こちらがアタフタしていると、彼らはわざと困らせるようなことをして、
「ホントに受け入れる覚悟はあるの?」
と試してきます。


慌てず、焦らず、諦めず。
猫のペースを尊重してつきあうこと。
お互いに時間をかけてつきあうなかで、きっと居心地のいい距離感がつかめると思います。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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