2013年9月16日月曜日

相談その9 壁の爪研ぎをいかに防ぐか? 猫の本能VSヒトの工夫


壁で爪研ぎされて困っています。(大阪府 20代女性)


なんりから

シッティング先の黒猫・球磨君は、去勢した雄猫で10歳。
体重は6キロの堂々とした体格です。
気質もおだやかで、
アン、アーン
という鳴き声は高音域で、まるでオンナのコのよう。

さて、初めてのシッティングの際は、お客様のおうちに伺って、打ち合わせをするのですが、球磨君のお宅に入った瞬間思わず、
「おおーっ、これは、これは芸術的ですねぇー」
と感動してしまいました。
壁一面が素晴らしい爪研ぎアートだったからです。

「オホホ、そうなんですよー。家中、球磨ちゃん画伯の才能にあふれているでしょう?」
おうちの方もこんな感じで、気にしている様子はありません。

いやぁー、それにしても球磨君爪研ぎアートの自由奔放さと言ったら!
高さ地上7080センチくらいの壁が広範囲にボロボロになっています。
ずっと目で追って行くと、高さ150センチあたりまで爪痕があって、驚きます。
どうやったら、こんな場所に爪研ぎできるのでしょう!
もっとも子猫なら、軽々天井近くまで駆け上がる猫もいますけどね。

ところで、球磨ちゃん宅が壁を新しく張り替えた場合、壁で爪研ぎされないためには、どうしたらいいでしょう?

猫の爪研ぎは本能なので、止めさせることはできません。


まず猫はなぜ爪研ぎをするかを考えてみましょう。

1. 爪を鋭くする(獲物を獲っていた名残)
*爪のさやが剥がれる素材が必要 

2. 自分の大きさを誇示する(縄張りで無用なケンカを避けるためのサイン)
   *思いっきり伸びできる高さが必要



3. なにかの区切りとして(気分転換)
*水平、または垂直、斜め 猫によってさまざま



我が家の猫5匹は、こんな場所で爪研ぎしています。

1. リビングの壁2面(長さ4m)を、高さ90センチの杉の腰板で覆う。
   *強力な両面テープで貼付け、爪研ぎでボロボロになったら、張り替えます。




2. 麻縄を巻き付けた据え置き式キャットタワーを窓際に設置。





*最長のポールは140cm4本の柱で安定感もあり、最上段は猫の寝そべり可能なスペースでもあります。

3. 一般に市販されている11×47cmの段ボールの爪みがきを48枚両面テープで接続して、ワイド版を床に置いています。ここで寝そべる猫多し。


4.  1枚のみがお気に入りの猫もいます。


5. ダイニングルームの壁は地上1mの高さまで布を貼ってカバー。


*季節に合せて、布を取り替えれば、お部屋のイメージチェンジになります。



それでも、木製のチェストや柱が爪研ぎの被害にあっています(笑)。
シッティング先でよく見かけるのは、籐製品やソファなど。



たいていの方が、
「これはもう猫に進呈しますから、いいんです」
と笑っています。
猫と暮らすイコール寛容な心の持ち主になれるということかしら。










ものは考えよう。
猫の爪研ぎは、猫から仕掛けられるゲームと考えたら、イライラしません。
「猫のお気に入り爪研ぎ場所」を作ったほうが勝ちです。
市販のものだけに頼らず、いろいろ工夫してみましょう。







本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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