2013年9月30日月曜日

相談その11 通院で大絶叫する猫に教えてもらったこと

動物病院が嫌いで、大暴れ、大騒ぎします。(愛知県 30代女性)

なんりから

我が家のドドもそうでした。
私が、
(ワクチン接種に連れて行こうかな…)
と思っただけで、それを察して姿を隠します。

ビビリの分、用心深くて、なかなか出て来ません。
そのうち診察時間に間に合わなくなって、断念することも度々ありました。

やっと出て来ても、私に近寄って来ない。
(捕まったら病院に連れていかれる)
と本能的にわかっているのです。

だから、キャリーケースに入れるのは至難の技でした。
隠れ場所のない部屋に追い込み、必死の形相のドドを捕まえます。

捕まえても、ギャオン、ギャウンと鳴きわめいて、暴れる、暴れる。
普段甘ったれのドドが、この時ばかりは別猫になってしまうのです。
この状態では、ちょっとでも弱気になりと逃げられてしまいます。
キャリーケースに押し込み、厳重に扉を閉める。

以前、プラスチックのキャリーケースの扉を中から押し破ったことがあったので、ドドの通院には布製のバッグを使いました。

さぁ、これからがまた大変。
アオーーーン、ギャオーーン!
サイレンのような大絶叫が始まるからです。

家から動物病院まで、この大絶叫が続き、道行く人たちが
「なにごと?」
「もしや、動物虐待か?!」
という目を私に向けて来ます。

「いえ、猫を病院につれてくだけです、大丈夫です」
見ず知らずの人に言い訳しながら、汗ダラダラで走ります。

「ドドちゃんサイレンでもうすぐ到着だなってわかりましたよ」
獣医さんに言われる有名だったのです。

体重5キロの大絶叫ドドを抱えての20分走行で、私はもうヘロヘロ。
ですが、ここで力尽きてはなりません。
抵抗するドドをバッグからひっぱり出して、診察台に乗せる。

その瞬間、診察台に梅の花模様が咲き乱れ。
コレ、ドドの肉球から出た汗です。

ドドの目は釣り上がり、白目をむき、口は開いてハァハァ、ゼェゼェ。
絶叫を続けた結果、声が嗄れてしまっています。

獣医さんの触診、ワクチン注射の間も目は宙をさまよい、心ここにあらずのドド。
かわいそうなドド。
かわいそうな私。

帰り道も声なき声で絶叫を続ける頑固なオトコ。
家にたどりつき、バッグから出たドドは
「あぁ、ヤレヤレ」
と身体中をなめて、なめて、なめまくる。

で、それが終わると、私のところにやってきて、
「病院に行ったんだから、かつおぶしくれるんだろ、かつおぶし」
と要求するのですね。

ええ、ええ、あげますとも、かつおぶし。







でもね、なんかね、私は妙にむなしい……。

こんな具合でしたから、ドドが16歳で慢性腎臓病になった時は大いに悩みました。
通院で体力を消耗してまっては、元も子もない。
そこで、獣医さんと相談して、通院は極力避けて、自宅でできる看護をして、最期は家で看取りました。
この時、病院嫌いのドドがいろいろ教えてくれたなぁと思います。

うまい具合に病院嫌いの猫は、あまり病気にならないような気がします。
逃げ回ったり、大絶叫する猫は元気なんです。

最近、ふと、病気予防の検査やワクチン接種を猫たちは
「そんなもん、いらんわ」
と思ってるんじゃないかな、なんて思ったのでした。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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