2013年5月6日月曜日

その2 猫をお金で買わないで

猫に選ばれしものとして

※「どうしても血統書付きの猫じゃなきゃイヤ!」という方は、この章を飛ばしてください。

私は過去に何十匹もの猫と暮らして来ましたが、一度もお金を出して猫を買ったことはありません。
たぶんこれからも猫をお金で買うことはしないでしょう。



猫とは出会うもの。

猫との出会いは必然。
よく
「猫を拾っちゃって…」
という言葉を耳にすることがありますが、「拾った」と思うのは人間サイド。
猫のほうでは
「この人にきーめた!」
なのかもしれませんよ。
ある意味、あなたは猫に選ばれしもの。

もっとも、なかなか猫に出会えない人もいますね。
「どこに行けば、猫がいますか?」
と人に聞いてるうちは、まだ猫と暮らす準備が整っていないともいえます。

そんな人もある日、突然、猫と出会う。
「あ、きたーっ!」
と分かるはず。
その時は、しっかりそのチャンスをつかまえてくださいね。
たぶん、迷ってる暇はないと思いますから。

雑種は丈夫

さて、知り合いの獣医さんは
「猫は雑種が一番丈夫で、面白い」
と言います。
これはキャットシッティングの現場でも実感しますが、雑種の猫さんはおしゃべりも上手。毛色や柄、しっぽの長さや形もバラエティーに富んで、実にユニークです。

ブームに踊らされたツケは死

あまり褒められない日本人の傾向に、マスコミに踊らされやすいというものがあります。

たとえば
「今の流行はマンチカン」
なんてテレビや雑誌で取り上げると、日本国中マンチカンだらけになってしまう。

こうしたブームの陰では、生体販売業者が
「売れるときに売っとけ」
とばかりに無理な交配をくり返し、結果障害を持つ子猫も生まれてしまう。
しかし、そうした子猫も値引きをしたりして、平気で売り飛ばす。


子猫の時はみんなちやほやしますが、やがて大きくなるころには世間のマンチカンブームも去り、それと同時に興味も減って行く。
さらに純血種は、病気になりやすいため医療費もバカになりません。
そうなると、
「だれにもばれなきゃいいや」
と、こっそり猫を捨ててしまう困ったちゃんが出てくる。
おかげで保健所は、その時のブームの犬種や猫種でいっぱいという事態になるのです。

保健所に収容された犬猫は、一定期間が過ぎれば「死」があるだけです。
元は高価な犬や猫でも同様に殺処分されてしまう。
こんなバカげたことがあるでしょうか? 

どうぞ、安易にマスコミのブームに踊らされないでください。
もう一度、言います。
猫はお金を出して買うものではありません。



猫は天からの贈り物

猫は人間と暮らして来た歴史が長いのですが、犬のように人間に従属する関係ではありません。猫に家にあっても、野性の魅力を保ち続けている。だから「猫」という漢字には、未だ獣偏が残っているのだと思います。 
もし、あなたが自分の思い通りにしたいペットが欲しかったら、それは猫ではありません。
猫は勝手気まま、わがまま、気紛れで、決してあなたの思う通りにはなりません。

そんな猫とつき合うには、あなた自身が自立した大人になること。
猫は子猫であっても、自立した性格を持っていて、自分の判断で好き嫌いを見極めます。
そうした猫の性向を楽しめる余裕があれば、あなたと猫の生活は豊かなものになるでしょう。

私は生後2日目から猫といっしょに暮らしていますが、未だに猫との生活に飽きることがありません。

毎日が新鮮な発見と驚きの連続で、つくづく猫は天から与えられた素晴らしい贈り物だと思います。


すでにお金で買ってしまった人を非難しているわけではありません。
これを読んで
「なるほどなぁ」
と思ったら、次の猫は是非、動物愛護団体や野良猫、里親募集の中から選んでくださればと思います。
 
※ちなみに先進国といわれる国で、ペットショップの店頭で子猫や子犬を販売しているのは日本だけだそうです。たしかにアメリカで行った巨大ペットショップでは、週末に里親の譲渡会は開催していましたが、生体販売はなかった。イギリスやオーストラリアでも子猫、子犬の販売は見ませんでした。
恥ずかしいことですが、日本人の動物に対する意識はまだまだ低いのが現状です。

しかし、どこかでこのサイクルを断ち切らないといけません。
そのためには、私たちがそうした業者から犬や猫を買わないこと。
私たちの選択で、不必要に殺される猫を減らすことができるのです。


同じ猫は1匹として存在しません。
すべての猫が唯一無二、いろんな可能性を秘めて、あなたとの出会いを待っています。  


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。


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