2013年5月27日月曜日

その5 匂いが気になる季節、我が家は空気清浄機いらず

猫は嗅覚タイプ

梅雨の時期、湿度が高くなるにつれ、なんとなく気分が重い、なんてことありませんか?
その原因は、ひょっとすると鼻に関係しているかも?

この季節は、猫トイレ周辺だけでなく、室内の匂いも気になります。
で、今回は匂いに注目したお話です。


五感といえば、視覚(目)、聴覚(耳)、嗅覚(鼻)、味覚(舌)、触覚(皮膚)。
人間は、対象物をまず視覚で認識します。
目で見て、それとわかる視覚優先型。

しかし、猫はちがいます。
猫は嗅覚、鼻が命!

猫に人差し指を差し出すと、猫はクンカクンカと鼻を寄せてきます。
嗅がずにはいられない!

我が家の猫たちは、魚を焼いているとワラワラとキッチンに全員集合してきます。
これも匂い。

寝ているときも人間の脇の下は人気スポット。
ここも匂いがあるところだからですね。

野良猫には風邪が命取りと言われます。
なぜなら風邪で鼻が利かなくなって、食欲が湧かなくなるから。

猫のおしっこも匂いがなくなったら、健康注意のサイン。
人間の感覚では匂いはないほうが良さそうに思いますが、違うんですねぇ。

そうそう、シッティング先で、私のバッグと靴は猫たちに大人気です。
たーくさんの猫が自分の匂いを塗り塗りして、さながら「匂いのバームクーヘン」を構成していると思われます(見えないし、嗅ぎ分けられませんが)。
猫たちはこうした匂いから、いろんな情報を読み取るのでしょうね。

我が家は空気清浄機を使っていません

さて、猫トイレの近くや室内に空気清浄機を設置しているお宅は多いと思います。
しかし、猫5匹の我が家は空気清浄機を使っていません。
事務所兼ワークショップ会場にもなるため、来客も多いのですが、みなさん
「全然、臭いませんね」
とおっしゃいます。

「なぜ?」
よく質問されるので、おそらく消臭になっているであろうことをまとめてみますね。

1.消臭力の高い猫砂使用 長年オカラ砂愛用

2.植物のサンスベリアの鉢がたくさん どんどん増えて、毎年花が咲くほど

3.紀州の備長炭20キロ 各部屋に置いて、時々タワシで洗って天日干し

4.消臭・除菌・防腐・防カビ剤のK 各部屋に置いて、消耗したら交換

北側に位置する浴室の窓は、換気のため、1年中開けています。
高気密より低気密。
昔ながらのすきま風の入るような家が、案外いいのかもしれません。

消臭らしいことで、思いつくのはこんなところでしょうか?


猫トイレ掃除はこまめに


猫がトイレを済ませたり、吐いた時などはその場で即片付けます。
そのままにしておかない。

猫トイレのそばに使いやすい掃除道具を用意しておく。
着古したTシャツやタオルを小さく切った使い捨て雑巾は常備品です。

そういえば、私は1日3,4回モップがけをしていますね。
埃をためないことも関係してるかしら。

余談ですが、風水をやる方に聞くと、水場の清潔を保つことが重要だとか。
台所、洗面所、浴槽、トイレなど水を使う場所はなるべくきれいにしておくといいそうです。

梅雨の時期、室内を清潔にして、少しでも快適に過ごしたいですね、猫も人も。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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2013年5月20日月曜日

その4 梅雨前にキャットフードの保存を見直しましょう

「エサ」か?「ごはん」か?


だいぶ以前の話ですが、シッティングの打ち合わせで、あるお客様が、
「食べ残したエサは袋にもどしてください」

と言うのです。

内心、
(なぬっ?!)
と思いましたが、好奇心で、

「はい、それから?」
と先を促すと。

「この袋をよく振ってください」
どうやら、食べ残しと新しいドライフードを混ぜるようです。

「こうやると、よく食べるんです」
とにこやかに説明をするお客様。

うぬぬーー。

猫さんが私の足下で
「なんとか言ってよ」
的な目つきで、私を見上げてきた(ように感じました)。

南里「あ、あのぅ……」
お客様「はい? なにか?」
南里「猫のドライフードは見た目、カリカリした感じなので、いつまで腐らないようなイメージがあるかもしれませんけど、実際は高タンパク・高脂肪なので、お皿に盛った時点から、どんどん酸化が始まってるんです」

お客様「えっ! そうなんですか?」
南里「ええ、ですから、食べ残しを袋に戻すってことは、腐ったものを入れるってことに……」
お客様「し、知らなかった……」


お客様「ということは、エサの食べ残しは捨てなきゃ、駄目なんですね」
※実は「エサ」という言葉も気になる。


南里「1番いいのは食べきる量を出すことです。これなら食べ残しが出ません」
お客様「えっ? じゃ、エサを出しっ放しにしとかなくていいんですか?」
※「エサ」という言葉がひっかかるーー。


南里「いつもは1日どのくらいの量出してますか?」
お客様「決まった量はなくて、猫が欲しがったときに出してるんですが……」

こういう方、多いです(笑)。

この方は袋に戻してのシャッフル派ですが、多いのはドライフードの継ぎ足し派。
継ぎ足しイコール食器を洗わない。


「エサ」という言葉と、その人がやってることはリンクしているのかもしれません。
「エサ」という意識だから、食器を洗わないし、継ぎ足しでも平気。

ひょっとして「エサ」を「ごはん」と言い換えたら、1日の量を把握して、
食べ残しは捨て、食器を洗い、新鮮なキャットフードを盛りつけて
「さぁ、召し上がれ」
とならないかしらん。

大量買い、ちょっと待って

みなさん、ご存知のように開封したてのドライフードは猫たちに大人気。
カリッ、ポリッ、カリッ、ポリッといい音をたてて食べてくれます。

しかし、開封からしばらくすると
「しょうがないなぁ、今日もコレかぁ」
的な食べ方に変わります。

できれば、猫さんたちには小袋で開けたての感動数を増やしたいもの。
確かに大袋の方が経済的ではありますが、我が家は1ヶ月に1度の購入を目安にしています。
ドライフードを開封してから、食べきるのに3ヶ月もかかっては酸化が進みますからね。

キャットフードの大量買いはちょっと待て、です。
ドライフードもウエットフードも、そりゃ新鮮なものがいいに決まってます。

開封したら保存

さて、湿度が高くなる梅雨時は、特にキャットフードの保存に留意したいもの。

ドライフードの袋の口がパカーッと開いたまんま、なんてお宅もたまに見かけます。
ドライフードは空気に触れたら、酸化が始まると思ってくださいね。

ドライフードを開封したら

1.乾燥剤を入れる

2.口をしっかり閉じる、または密閉容器に移し替える

3.陽の当たらない場所で保存


ウエットフードもできるだけ食べきりサイズを選んで、残った場合でも翌日中には食べてもらいたいものです。

そして、猫さんの食べきる量を把握して、食べ残しを出さない。
食器は毎回洗う。

子猫や老猫はさておき、健康な成猫であれば、フードの出しっ放しはしない。

大事なのは、空腹の時間を作ることです!
コレ、猫も人も同じですね。

梅雨時、猫さんたちに新鮮な食事を提供できるよういたしましょうね。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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2013年5月13日月曜日

その3 夏を前にノミ対策をもう一度考えてみませんか?

完全室内飼いで、ノミ駆除はホントに必要?

ノミで苦労した時代もありました


キャットシッティングをスタートさせた1992年当時、猫のノミ対策は犬用ノミとり首輪が一般的でした。
そう、犬用だけで、猫用はなかったのです。
ですから、猫は小さくカットして使ってました。

外出自由の猫もけっこういたので、夏場のノミ対策、そりゃ大変でした。
※詳しくは『それいけ、キャットシッター!』(双葉社:絶版ですが、Amazonのユーズドで購入できます)の「ノミ、ノミ、ノミ!」をよかったら読んでくださいね。

特に留守宅は、ノミが大発生するんです。
人がいないのをいいことに、ここぞとばかりに増える!

猫たちのノミの被害もひどいもんでした。
痒がっておちつかない猫やノミアレルギー皮膚炎で出血してる猫も見ました。
ノミとりくしは大活躍でした。

シッティング先でノミやノミの卵をもらってこないようにするのも一苦労。
シッターがノミの運び屋になっては困りますからね。



その後、日本でもついにノミ駆除薬Fが解禁になりました。
猫の身体についたノミを駆除するばかりか、ノミの卵を孵化させない効果があるという夢のような薬。
おまけに1ヶ月に1度、液体薬を肩甲骨の間に垂らすだけという簡単さ。

確かにFの効果は素晴らしかったのです。
F以降、私もシッティング先でノミに悩まされることはほとんどなくなりました。


ダニに食われる時

数年前の夏の初め、猫を病院に連れて行った際、
「ナンリさん、それダニですよ」
知り合いの獣医さんに言われました。
気がつくと、腕にポツポツと赤い刺し跡がありました。

ひゃーっ、どうしよ?
と思っていると、獣医さんはこう続けました。
「ダニなんて、どんな家にもいるもんですから、駆除しようなんて考えないことですよ。それよりダニに刺されるってことは体力が落ちてる証拠。ちゃんと休養しなきゃ」

そうなのかー!
実際、疲れが取れて元気になると、ポツポツはなくなりました。
ダニ駆除なんて一切しなかったのに、です。


つい先日も猫のいるお宅から相談を受けました。
「ダニに食われたので、B(くん煙タイプの殺虫剤)を焚いたほうがいいでしょうか?」
そこで、獣医さんからの受け売りで
「Bは止めて、まずは体力回復に勤めましょう」
と申し上げました。
たとえ、焚くとき猫を一時避難させても、残留したB成分が消えるまでには時間がかかります。


完全室内でノミ駆除は必要?

夏が近くなると、「ノミ駆除」の広告が目立ち始めますね。
お外に出ていなくても、
「動物病院で勧められたから」
「インターネットに書いてあったから」
と定期的にノミ駆除薬を使っている方がいます。

ノミを1匹みつけたら、100匹はいると思え!
といわれますが、ノミがいないのに薬を使い続けるのは、はたして?

周辺のノミの卵の孵化まで押さえてしまうほどの薬。
猫の身体に負荷はないのだろうか?
と思わざるを得ません。

身体に余計なものは入れないほうがよい、というのが私の考え方です。
薬が必要なときもありますが、猫も人もできれば、内に持ってる自然治癒力を発動させたい。
ずっとお薬に頼っていると、身体が怠けてしまうように感じます。
外に求めるのではなく、内なる力を信じる!

疲れるとダニに付け入られるの例でもわかるように、自然界はバランスをとっています。
強い力で排除するのは簡単ですが、必ずその反発もあると思うのです。

取捨選択するのは、あなたの考える力です。

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【 関連する南里秀子の著作 】

>> それいけ、キャットシッター』 双葉社


記事中の、ノミと格闘するお話が読めるのは、この本です。
想像を絶する終わりの見えないノミとの戦い。
なんりひでこが使った最終兵器とは、いったい!?

思わずニヤリとする、四コママンガも付いてます。

絶版ですが、Amazonのユーズドでどうぞ。

2013年5月6日月曜日

その2 猫をお金で買わないで

猫に選ばれしものとして

※「どうしても血統書付きの猫じゃなきゃイヤ!」という方は、この章を飛ばしてください。

私は過去に何十匹もの猫と暮らして来ましたが、一度もお金を出して猫を買ったことはありません。
たぶんこれからも猫をお金で買うことはしないでしょう。



猫とは出会うもの。

猫との出会いは必然。
よく
「猫を拾っちゃって…」
という言葉を耳にすることがありますが、「拾った」と思うのは人間サイド。
猫のほうでは
「この人にきーめた!」
なのかもしれませんよ。
ある意味、あなたは猫に選ばれしもの。

もっとも、なかなか猫に出会えない人もいますね。
「どこに行けば、猫がいますか?」
と人に聞いてるうちは、まだ猫と暮らす準備が整っていないともいえます。

そんな人もある日、突然、猫と出会う。
「あ、きたーっ!」
と分かるはず。
その時は、しっかりそのチャンスをつかまえてくださいね。
たぶん、迷ってる暇はないと思いますから。

雑種は丈夫

さて、知り合いの獣医さんは
「猫は雑種が一番丈夫で、面白い」
と言います。
これはキャットシッティングの現場でも実感しますが、雑種の猫さんはおしゃべりも上手。毛色や柄、しっぽの長さや形もバラエティーに富んで、実にユニークです。

ブームに踊らされたツケは死

あまり褒められない日本人の傾向に、マスコミに踊らされやすいというものがあります。

たとえば
「今の流行はマンチカン」
なんてテレビや雑誌で取り上げると、日本国中マンチカンだらけになってしまう。

こうしたブームの陰では、生体販売業者が
「売れるときに売っとけ」
とばかりに無理な交配をくり返し、結果障害を持つ子猫も生まれてしまう。
しかし、そうした子猫も値引きをしたりして、平気で売り飛ばす。


子猫の時はみんなちやほやしますが、やがて大きくなるころには世間のマンチカンブームも去り、それと同時に興味も減って行く。
さらに純血種は、病気になりやすいため医療費もバカになりません。
そうなると、
「だれにもばれなきゃいいや」
と、こっそり猫を捨ててしまう困ったちゃんが出てくる。
おかげで保健所は、その時のブームの犬種や猫種でいっぱいという事態になるのです。

保健所に収容された犬猫は、一定期間が過ぎれば「死」があるだけです。
元は高価な犬や猫でも同様に殺処分されてしまう。
こんなバカげたことがあるでしょうか? 

どうぞ、安易にマスコミのブームに踊らされないでください。
もう一度、言います。
猫はお金を出して買うものではありません。



猫は天からの贈り物

猫は人間と暮らして来た歴史が長いのですが、犬のように人間に従属する関係ではありません。猫に家にあっても、野性の魅力を保ち続けている。だから「猫」という漢字には、未だ獣偏が残っているのだと思います。 
もし、あなたが自分の思い通りにしたいペットが欲しかったら、それは猫ではありません。
猫は勝手気まま、わがまま、気紛れで、決してあなたの思う通りにはなりません。

そんな猫とつき合うには、あなた自身が自立した大人になること。
猫は子猫であっても、自立した性格を持っていて、自分の判断で好き嫌いを見極めます。
そうした猫の性向を楽しめる余裕があれば、あなたと猫の生活は豊かなものになるでしょう。

私は生後2日目から猫といっしょに暮らしていますが、未だに猫との生活に飽きることがありません。

毎日が新鮮な発見と驚きの連続で、つくづく猫は天から与えられた素晴らしい贈り物だと思います。


すでにお金で買ってしまった人を非難しているわけではありません。
これを読んで
「なるほどなぁ」
と思ったら、次の猫は是非、動物愛護団体や野良猫、里親募集の中から選んでくださればと思います。
 
※ちなみに先進国といわれる国で、ペットショップの店頭で子猫や子犬を販売しているのは日本だけだそうです。たしかにアメリカで行った巨大ペットショップでは、週末に里親の譲渡会は開催していましたが、生体販売はなかった。イギリスやオーストラリアでも子猫、子犬の販売は見ませんでした。
恥ずかしいことですが、日本人の動物に対する意識はまだまだ低いのが現状です。

しかし、どこかでこのサイクルを断ち切らないといけません。
そのためには、私たちがそうした業者から犬や猫を買わないこと。
私たちの選択で、不必要に殺される猫を減らすことができるのです。


同じ猫は1匹として存在しません。
すべての猫が唯一無二、いろんな可能性を秘めて、あなたとの出会いを待っています。  


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。


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「猫の森のぐりんぐりんキャット-つながる環」

今週のおすすめブログ記事は・・・

第2回目 「CAVA?な日々」 野良出身ニャでぇ~(サバ)  野良出身ニャでぇ~(ニャーニャーズ)
http://blog.livedoor.jp/yoosoon/


キャットシッターしまねこ代表で、関西のワークショップをサポートしてくれている、佐藤裕順(さとう・ゆすん)さんのブログです。

しまねこ家のサバちゃんと、バニラちゃん&メルモちゃんのニャーニャーズは、野良さん出身。
しまねこさんがつかまえた、彼らとの出会いのチャンスとは?

【 佐藤裕順さんサポートの関西ワークショップ 】
 6/8(土) 大阪ワークショップ お申込み・お問合せはこちら
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